No.18 ありがとうございました


〇3月17日の倶楽部総会をもって、9年間にわたり努めて参りました会長職を辞任しました。会長期間中は、皆様のお役に立てるよう、倶楽部運営と現役サポートに努めて参りました。無事大役を終えホッとしているところです。今後は浜田 愃新会長の下でさらに倶楽部が発展していくことを心から祈念いたします。長い間皆様方から絶大なご支援を頂き、本当にありがとうございました。

〇9年間の在任中、前半は倶楽部の実務・運営ルール作りに注力しました。従来は、倶楽部の運営は先輩方が行ってきましたが、会員名簿の管理や経費の管理は長年にわたり専ら渡辺祥子さんが事務局として担ってきました。渡辺さんは我々が独身時代からお世話になっていた方で、倶楽部の生き字引とでもいうべき存在でした。我々が渡辺さんから引き継いでみて、いかに実務が大変であったか、改めて実感した次第です。倶楽部の縁の下の力持ちであった渡辺さんには言葉では言い表せないほどお世話になりました。改めて渡辺さんに厚く御礼を申し上げます。

〇後半はグランド改修問題に取り組みました。 お披露目会 会長就任当初は、時代が全天候型のグランドを要請していることなど全く知る由もありませんでした。クレーのグランドで十分と認識していましたが、現役諸君や若手OBとの議論を重ねる中で私も意識を変えていきました。しかし何といってもお金が無くてはできません。幸いにして、暖かい会員の皆様方のご理解・ご支援と倶楽部にあった基金、そして大学の協力も得て、何とか計画実現にこぎつけました。2010年10月の第1回グランド改修検討委員会開催検から始まり、資金集め、仕様決定、工事完了まで足かけ5年を要した大事業でした。2014年3月末に完成に持ち込み、山内 進学長を始め多くの大学関係者の方々にも喜んでもらいました。グランドの完成お披露目会が私の70歳の誕生日の2014年5月26日に行われたことは全くの奇縁で、倶楽部との特別なご縁を感じないわけにはいきませんでした。山内 進学長、松本正義如水会理事長、奥 裕之日本体育施設社長にご臨席頂きテープカットを行ったことは忘れえぬ出来事でした。

〇私が会長に就任したのは2007年6月でした。以来9回の三大学戦を経験しましたが、勝利したのは2008年と2009年の2回でした。最近は神戸・大阪に大きく引き離されています。対抗戦に勝てない現役にもどかしさを感じているのは私一人ではないと思います。箱根予選では着実に記録を伸ばしてきているので心強く感じています。昨年は11時間31分13秒と学内記録を大きく更新しました。しかし順位は49校中43位と不本意であり、団体戦で見る限りはあまり前進していません。他大学もますます強くなっている状況です。最近の学生諸君の個人記録は本当に素晴らしいものがあります。一方で、団体戦で簡単に勝利できない傾向にあり、私の心残りでもあります。
グランド
〇そんなことから、グランド完成後倶楽部理事の間で議論し、いくつかの強化策を現役諸君に提案しました。倶楽部ができるもの、例えば外部コーチの導入・制度化については少しずつ具体化しています。お金の問題もあって一気に進めることが難しいからです。他方、現役諸君には部員数の増加やキャプテン交代時期の見直しなどいくつかを提言しています。長年親しんできたルールを変えることはそう簡単ではなくいずれも実現を見ていません。息の長い問題でもありますので次期執行部の皆さま方に引き継いで行きたいと考えています。

〇現役の人数が増えれば支援額も増えます。強くなってもらおうとすればコーチや合宿の予算も必要になります。今の倶楽部予算は毎年50万円から100万円程度不足しています。70歳未満の会員数はおよそ400名でその3分の2の方が年会費を支払っています。他の運動部OB会の中では陸上競技部の年会費徴収率は極めて高い方です。他の倶楽部から羨ましがられているのが実情です。それでも収支尻はマイナスです。今は先輩方が蓄積された基金を取り崩すことによって賄っています。倶楽部財政の健全化は重要な課題です。収支改善策のひとつは特に若手・中堅OBの徴収率を上げ、頑張ってもらうことです。徴収率100%という高齢層が世代交代するときに危機が訪れないことを願っています。

〇財政改善策の一つとして、昨年から「公益財団法人 一橋大学後援会」への寄付を呼び掛けています。後援会への寄付は所得控除または税額控除が受けられる制度です。寄付者にとって大変有利な扱いになっています。そのうえ、「陸上競技部への寄付」を明示すれば「完全ひも付き」になる制度です。本年2月末現在で4名の方から32万円の寄付を頂きました。また、硬式野球部や硬式庭球部などは、この制度を活用して積極的な支援をしています。独立行政法人となった大学の財政状況は徐々に厳しくなってきています。日本の国立大学も欧米並みにこうした寄付を活用する必要性が高まってきているように思われます。相続税が厳しくなったのも寄付を進める一環かなと、個人的には思ったりしています。会員の皆様方にはこうした厳しい倶楽部財政の実情にご理解を頂き、学生支援ひいては教育支援にご協力頂き、財政健全化にご協力いただければ幸いです。

〇9年間の経験を通じて、私は、一橋陸上競技倶楽部の存在が「学生諸君に生きた社会人教育を示すこと」に繋がっているとの思いを強く感じています。実務能力・社会常識の重要性を認識してもらえるのはクラブ生活を通してのみできる、その意味では「生きた教育」ともいえるわけで、会員の皆様方にはこれからも現役諸君への応援を続けて頂きたいと切に願う次第です。


2016年3月18日      一橋陸上競技倶楽部 前会長 青木俊樹